Archive | 2012年04月
同じ家、同じ部屋にいるのに緊急地震速報が届く人と届かない人がいる、なんで~~?
ってお話を見ていて、ふとモバイルガジェットの位置認識について知らない人も多いかも?と思い、簡単にまとめてみた。
昔はカーナビくらいしか位置情報を取得するガジェットはありませんでしたが、
今では携帯電話やスマートフォンはもちろん、携帯ゲーム機などいろんなモバイルガジェットで位置情報を取得するものが出てきました。
みんな当たり前のように使っているけれど、なんでガジェットの位置が分かるのか知っていますか?
位置認識=GPSっと言うのは正しい。
だけれどそれならGPSがついていないiPad WiFiモデルで、なんでマップ機能が大まかながら使えるの?
そして、iPadやPS Vitaのように、なんで3G+WiFiモデルじゃないとGPS機能がついていないの?
そのあたりも含めて書いてみます。
(※経緯を書くと膨れあがっちゃうので、その部分は今回は割愛)
GPS(Global Positioning System/汎地球測位システム)とは?
地球上の上空2万メートルを飛んでいる衛星(約30個)から電波が発信されていて、ガジェットでその電波を受信し、
受信した電波はどの衛星がどこを飛んでいるときに発したものかを調べ、その情報が3つ以上の衛星から取得できれば、
三点測量の要領で位置情報を割り出すことができる位置認識システムのことです。
(※実際にはもう少しややこしいけれど、こういう認識でだいたいあってます)
初期のGPSを使ったことがある人、もしくはPSPのGPSユニットを使ったことがある人がいれば分かると思いますが、
GPSでの位置認識ってすっごく時間がかかります。
理由は衛星から出ている電波を解析して、どの場所からいつに発せられたものかを知るために1衛星あたり約30秒ほどかかるんですが、これが最低でも3つの衛星とやりとりを行わないといけないこと、さらに実際には3つの衛星からの電波を取得できるまで何回も電波の受信、解析が行われるため、その処理時間が膨れあがるからです。
これではスマートフォンのようにマップアプリを立ち上げたらすぐに位置情報が知りたいという要望にはとても答えられません。
そこで現在の携帯電話/スマートフォンに搭載されているA-GPS(Assisted-GPS)が登場します。
A-GPSとは?
GPSの位置認識で一番時間がかかっているのは、受信した電波の衛星が、その電波を発信したときにどこにいたのか?を解析する部分です。
いくら衛星の軌道が決まったコースを動き続けているとはいえ、普通にやればその範囲は全世界規模ですからね。
そこで、A-GPSでは携帯電話の基地局の場所から、現在その場所にいる衛星の(位置)情報を取得し、衛星からは時刻情報だけを取得すればすぐに位置の照合、認識ができるようしました。
(※衛星の位置情報を計算しているのは基地局ではなく、その後ろにあるA-GPSサーバの役割です)
その位置認識の速さは最近のスマートフォンを使っている人は体感して分かっていると思います。
っと、言うことで最初に挙げた疑問「なぜ3G搭載モデルじゃないとGPS機能がついていないのか?」の答えがここにあります。
つまり、最近のモバイルガジェットに搭載されているGPSとはA-GPSのことで、これは携帯電話のデータ通信回線がないと衛星の位置情報を取得できず、A-GPSが機能しないからです。
その気がある人は試してもらってもいいですが、例えばiPhoneでSIMを抜き、WiFiにも接続しない状態でマップアプリを起動すると位置認識ができないか、変な位置にいると認識するようになると思います。
(これってつまり、私みたいに3Gデータ通信OFFにしているiPhoneだとA-GPSがうまく起動していないってことかな?)
ちなみに携帯電話のどの基地局からの電波を受信したのか?の情報も加味されているので、マップアプリを起動した際に
最初バクっとした円が出るのが基地局のカバー範囲、次に一気に円が狭まるのがA-GPSの効果だと思っておけばだいたいOKです。
GPS機能付きの位置認識は分かった。
だけれどiPod touchやiPad WiFi版のようにGPSがついていないものでも、けっこう正確に位置認識ができているのはなぜか?
それはWiFiからの位置推定が行われているからです。
WiFiからの位置推定とは?
WiFi、正確にはWiFiのアクセスポイントの情報から位置を推定することができます。
さっきの携帯電話の基地局から位置が分かるのと同じようなものと思えばだいたいあってます。
とはいえ携帯電話の電波は数km飛ぶのに対してWiFiは(遮蔽物がなければ)せいぜい20~30mほどしか飛ばないので、その位置精度は非常に高いです。
技術的にはソニー系のPlaceEngineとアメリカ系のSkyhookの2種類がメインかな?
たしかApple製品にはSkyhookが使われているはずです。
ここまで読んで不思議に思ったことはありませんか?
『WiFiのアクセスポイントから位置情報を推定って言うけれど、そもそもどのアクセスポイントがどの場所にあるのかってどうやって調べてるの?』
多くの人は自分のWiFiアクセスポイントの場所を登録したことなんてないと思います。
(企業が置いているアクセスポイントはおそらく位置情報を登録していると思います)
その答えは
『GoogleがGoogle Mapのストリートビュー用の撮影を行うのと同時にWiFiアクセスポイントと位置情報を収集していた!』
です。
もしかしたらIT系情報サイトを見ている人はこの記事のことを覚えている人がいるかな?
Googleって昔から個人情報?の無断収集とサービスへの利用やってんじゃん(・∀・)
この記事の内容を読む限りだと、少なくとも2年前まではストリートビュー撮影と同時にWiFiのアクセスポイントと位置情報のマッチングは行われていて・・・おそらく今はストリートビュー用ではない、WiFi位置推定用の車両で世界中を走り回ってるんじゃないかな。
よって『WiFiモデルでマップ機能が大まかながら使える』のは
『WiFiアクセスポイントと位置情報がすでにデータベース化されているのでWiFiに繋げば位置が分かる』からです。
ちなみにこのことを踏まえて考えると・・・
京都で使っていたWiFiルーター(Googleにより位置情報登録済み)を引っ越しなどで東京に持っていくと、ルーターを東京で使っているのに位置情報としては京都と認識される可能性があるのかな?
いや、IPアドレスからおおよその位置(地域)が分かるから、データ不整合ってことで逆に位置が定まらない可能性があるか。
っと、言うわけで簡単と言いつつも長文になりましたが、モバイルガジェットはどうやって位置認識をしているのかというお話でした。
PS.
ちなみにカーナビの位置認識は上記のようなA-GPSやWiFiからの推定は行っておらず
1.GPSから大まかな位置情報を取得する
2.カーナビに内蔵されている地図情報と照合し、補正許容範囲内に道路があればそこに車を表示する
(範囲内でなければ取得した位置に表示する。これが田んぼの真ん中を走る車が表示される理由)
3.備え付けカーナビならタイヤの回転数などの情報から、外付けカーナビなら加速度センサなどから、
車がどの方向にどのくらいの距離進んだのかを計算し、その結果をナビ上に表示する
(トンネルの中のようにGPSの電波がひろえないところでもナビ上では表示が動いている理由)
4.所定の間隔で1.のGPSからの位置情報を取得し、現在位置の補正を行う
以上のアルゴリズムが基本形として位置認識が行われています。
(メーカーによってここからさらに精度を上げるための工夫がされていますけどね)
PS2.
あえて触れなかったけれど、モバイルWiFiルーターを使ってる場合はどうなの?という疑問があるかもしれない。
実際にモバイルWiFiルーターに繋いでマップアプリを起動すると大まかながら位置認識をしている。
このことについては確定情報を持っているわけじゃないので触れなかったんだけれど、
おそらくWiFiルーターの基地局の位置情報+αの情報で位置認識をしているんじゃないかな?
固定アクセスポイントだけでなく、モバイルのものでも位置認識がかなりの精度でできるってすごいですよ。
ってお話を見ていて、ふとモバイルガジェットの位置認識について知らない人も多いかも?と思い、簡単にまとめてみた。
昔はカーナビくらいしか位置情報を取得するガジェットはありませんでしたが、
今では携帯電話やスマートフォンはもちろん、携帯ゲーム機などいろんなモバイルガジェットで位置情報を取得するものが出てきました。
みんな当たり前のように使っているけれど、なんでガジェットの位置が分かるのか知っていますか?
位置認識=GPSっと言うのは正しい。
だけれどそれならGPSがついていないiPad WiFiモデルで、なんでマップ機能が大まかながら使えるの?
そして、iPadやPS Vitaのように、なんで3G+WiFiモデルじゃないとGPS機能がついていないの?
そのあたりも含めて書いてみます。
(※経緯を書くと膨れあがっちゃうので、その部分は今回は割愛)
GPS(Global Positioning System/汎地球測位システム)とは?
地球上の上空2万メートルを飛んでいる衛星(約30個)から電波が発信されていて、ガジェットでその電波を受信し、
受信した電波はどの衛星がどこを飛んでいるときに発したものかを調べ、その情報が3つ以上の衛星から取得できれば、
三点測量の要領で位置情報を割り出すことができる位置認識システムのことです。
(※実際にはもう少しややこしいけれど、こういう認識でだいたいあってます)
初期のGPSを使ったことがある人、もしくはPSPのGPSユニットを使ったことがある人がいれば分かると思いますが、
GPSでの位置認識ってすっごく時間がかかります。
理由は衛星から出ている電波を解析して、どの場所からいつに発せられたものかを知るために1衛星あたり約30秒ほどかかるんですが、これが最低でも3つの衛星とやりとりを行わないといけないこと、さらに実際には3つの衛星からの電波を取得できるまで何回も電波の受信、解析が行われるため、その処理時間が膨れあがるからです。
これではスマートフォンのようにマップアプリを立ち上げたらすぐに位置情報が知りたいという要望にはとても答えられません。
そこで現在の携帯電話/スマートフォンに搭載されているA-GPS(Assisted-GPS)が登場します。
A-GPSとは?
GPSの位置認識で一番時間がかかっているのは、受信した電波の衛星が、その電波を発信したときにどこにいたのか?を解析する部分です。
いくら衛星の軌道が決まったコースを動き続けているとはいえ、普通にやればその範囲は全世界規模ですからね。
そこで、A-GPSでは携帯電話の基地局の場所から、現在その場所にいる衛星の(位置)情報を取得し、衛星からは時刻情報だけを取得すればすぐに位置の照合、認識ができるようしました。
(※衛星の位置情報を計算しているのは基地局ではなく、その後ろにあるA-GPSサーバの役割です)
その位置認識の速さは最近のスマートフォンを使っている人は体感して分かっていると思います。
っと、言うことで最初に挙げた疑問「なぜ3G搭載モデルじゃないとGPS機能がついていないのか?」の答えがここにあります。
つまり、最近のモバイルガジェットに搭載されているGPSとはA-GPSのことで、これは携帯電話のデータ通信回線がないと衛星の位置情報を取得できず、A-GPSが機能しないからです。
その気がある人は試してもらってもいいですが、例えばiPhoneでSIMを抜き、WiFiにも接続しない状態でマップアプリを起動すると位置認識ができないか、変な位置にいると認識するようになると思います。
(これってつまり、私みたいに3Gデータ通信OFFにしているiPhoneだとA-GPSがうまく起動していないってことかな?)
ちなみに携帯電話のどの基地局からの電波を受信したのか?の情報も加味されているので、マップアプリを起動した際に
最初バクっとした円が出るのが基地局のカバー範囲、次に一気に円が狭まるのがA-GPSの効果だと思っておけばだいたいOKです。
GPS機能付きの位置認識は分かった。
だけれどiPod touchやiPad WiFi版のようにGPSがついていないものでも、けっこう正確に位置認識ができているのはなぜか?
それはWiFiからの位置推定が行われているからです。
WiFiからの位置推定とは?
WiFi、正確にはWiFiのアクセスポイントの情報から位置を推定することができます。
さっきの携帯電話の基地局から位置が分かるのと同じようなものと思えばだいたいあってます。
とはいえ携帯電話の電波は数km飛ぶのに対してWiFiは(遮蔽物がなければ)せいぜい20~30mほどしか飛ばないので、その位置精度は非常に高いです。
技術的にはソニー系のPlaceEngineとアメリカ系のSkyhookの2種類がメインかな?
たしかApple製品にはSkyhookが使われているはずです。
ここまで読んで不思議に思ったことはありませんか?
『WiFiのアクセスポイントから位置情報を推定って言うけれど、そもそもどのアクセスポイントがどの場所にあるのかってどうやって調べてるの?』
多くの人は自分のWiFiアクセスポイントの場所を登録したことなんてないと思います。
(企業が置いているアクセスポイントはおそらく位置情報を登録していると思います)
その答えは
『GoogleがGoogle Mapのストリートビュー用の撮影を行うのと同時にWiFiアクセスポイントと位置情報を収集していた!』
です。
もしかしたらIT系情報サイトを見ている人はこの記事のことを覚えている人がいるかな?
Google、Wi-Fiの通信内容を「意図せず」収集~謝罪して運用を停止
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100517_367555.html
Googleって昔から個人情報?の無断収集とサービスへの利用やってんじゃん(・∀・)
この記事の内容を読む限りだと、少なくとも2年前まではストリートビュー撮影と同時にWiFiのアクセスポイントと位置情報のマッチングは行われていて・・・おそらく今はストリートビュー用ではない、WiFi位置推定用の車両で世界中を走り回ってるんじゃないかな。
よって『WiFiモデルでマップ機能が大まかながら使える』のは
『WiFiアクセスポイントと位置情報がすでにデータベース化されているのでWiFiに繋げば位置が分かる』からです。
ちなみにこのことを踏まえて考えると・・・
京都で使っていたWiFiルーター(Googleにより位置情報登録済み)を引っ越しなどで東京に持っていくと、ルーターを東京で使っているのに位置情報としては京都と認識される可能性があるのかな?
いや、IPアドレスからおおよその位置(地域)が分かるから、データ不整合ってことで逆に位置が定まらない可能性があるか。
っと、言うわけで簡単と言いつつも長文になりましたが、モバイルガジェットはどうやって位置認識をしているのかというお話でした。
PS.
ちなみにカーナビの位置認識は上記のようなA-GPSやWiFiからの推定は行っておらず
1.GPSから大まかな位置情報を取得する
2.カーナビに内蔵されている地図情報と照合し、補正許容範囲内に道路があればそこに車を表示する
(範囲内でなければ取得した位置に表示する。これが田んぼの真ん中を走る車が表示される理由)
3.備え付けカーナビならタイヤの回転数などの情報から、外付けカーナビなら加速度センサなどから、
車がどの方向にどのくらいの距離進んだのかを計算し、その結果をナビ上に表示する
(トンネルの中のようにGPSの電波がひろえないところでもナビ上では表示が動いている理由)
4.所定の間隔で1.のGPSからの位置情報を取得し、現在位置の補正を行う
以上のアルゴリズムが基本形として位置認識が行われています。
(メーカーによってここからさらに精度を上げるための工夫がされていますけどね)
PS2.
あえて触れなかったけれど、モバイルWiFiルーターを使ってる場合はどうなの?という疑問があるかもしれない。
実際にモバイルWiFiルーターに繋いでマップアプリを起動すると大まかながら位置認識をしている。
このことについては確定情報を持っているわけじゃないので触れなかったんだけれど、
おそらくWiFiルーターの基地局の位置情報+αの情報で位置認識をしているんじゃないかな?
固定アクセスポイントだけでなく、モバイルのものでも位置認識がかなりの精度でできるってすごいですよ。
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出身地:京都
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しがない企業のプログラマー。
ゲーム、ガジェット好きなので、それ関係のお話をメインに書いていきます。
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*iPhone4
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*Macbook Air
*Dynabook Qosmio FX77G
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